誕生石のご紹介

誕生石とは生まれた月に当てて定められた宝石です。
誕生石は18世紀にポーランドの宝石商によって考案されましたが、当初、利用される宝石は宝石商によって異なっていました。その後1912年8月にアメリカのカンサス・シティーで開催された米国宝石組合大会で統一されました。
  日本の誕生石が発表されたのは1958年です。アメリカのものを基準にしていますが、国内の事情を反映させて、若干の修正が加えられています。例えば、3月には桃の節句があることから桃色が美しいサンゴが追加されました。新緑が美しい5月には、古来から日本人に好まれている緑色のヒスイ(翡翠)が加わっています。

1月の誕生石【ガーネット】

ガーネットは、原石が斜方12面体という完成された美しい形態を有している事から、宝石の元祖として1月の誕生石に選ばれたと言われています。中に火が隠され赤い光を発すると信じられていて、文学をはじめとする美術作品でも、恋の形容詞として、しばしば登場します。
『ざくろ石』とも呼ばれる為、ざくろの実の色を連想しがちですが、実際は赤色以外にも、橙色、緑色、黄色などさまざまな種類があります。ガーネットに分類される種類であれば、共通の結晶構造を持っていて、中に取り込まれる成分が少しづつ異なる結果、名称の異なるガーネットが生まれるのです。多彩で安定した性質を持つガーネットは、宝石としての魅力を十分に得た、これから注目すべき宝石といえるでしょう。

2月の誕生石【アメジスト】

アメジストは、透明度の高い紫色の水晶です。昔から紫は、高貴な色として特別に愛されてきたように、このアメジストも尊厳と威厳を表す宝石として重宝されてきました。アメジストの語源は、ギリシャ神話の酒の神「バッカス」からきていて、別名、ワインストーンやバッカスストーンとも呼ばれ、悪酔いを防ぐ石としても有名です。その落ち着いた色合いは、洋服はもちろんのこと、着物にもよく似合います。アメジストは、比較的大きいものが割とお手ごろな値段で購入できます。濃い色目の中から、傷のない透明度の高いものを選ぶと間違いないでしょう。モース硬度も7と、ご利用時、心配なく気軽に装える宝石です。

3月の誕生石【アクアマリン】

ラテン語で海の水を語源に持つアクアマリンは、船乗り達が航海の無事を祈って、お守りとして身に付けていたと言われています。エメラルドと同じベリルと呼ばれる鉱石で、緑色をしているベリルはエメラルド、水色であればアクアマリンとなります。同じ鉱物とはいえ、かならず多くの内包物うを含むエメラルドに対して、アクアマリンは内包物も少なく、清涼感のある透明度の高いのが特徴です。比較的大きな結晶が産出される為、エメラルドに比べると安価で大きなものをお求め頂けます。アフリカのモザンビーク産のアクアマリンが特に評価が高く、その鉱山の名前にちなんで、サンタマリア・アフリカーナという別名もあるほどです。この大いなる自然の色は、やすらぎと穏やかさを与えてくれ、魚座の守護石としても親しまれています。

4月の誕生石【ダイヤモンド】

地上で最も硬く、月日を経ても変わらない永遠の輝きを持つダイヤ。ダイヤの高価な理由は、その美しさと硬度、そして希少性。1ct(0.2g)のダイヤを得るには、約4トンに及ぶ採掘原石を必要とします。しかも宝石として使えるのは、その内の1/4程度と言われています。ダイヤを鉱物学的に見ると、なんと炭や鉛筆の芯と全く同じ成分から出来ており、自然が創りあげた奇跡としか言いようがありません。ダイヤの見分け方として、4C(カラット・カラー・クラリティ・カット)で評価する方法が広く用いられています。4Cがすべて最高級なら問題ありませんが、もしお財布と相談される場合、どれかランクを落とすとしたら、まずクラリティ。続いてカラー。これは私達の目ではほとんど見分けの付かないものです。逆にカットにはこだわりたいものです。唯一、人が関与できる部分で、特に輝きに影響を及ぼす為です。

5月の誕生石【エメラルド】

かのクレオパトラも愛したエメラルド。エメラルドは緑色という言葉に由来するように、深く、鮮やかに、そして神秘的な輝きを放ちます。世界産出量の80%は南米コロンビアで産出されます。アクアマリンと同じベリルという鉱物からできており、このベリルは、緑色はエメラルド、青色はアクアマリン、ピンク色はモルガナイト、黄色はへリオドール、赤色はビキシバイトと呼ばれています。「エメラルドと人間はキズがないものはない」といわれるように、エメラルドは、モッシーという内包物を多く含むのが特徴です。これは、天然石であることの証拠になり、またエメラルドを魅惑的な緑色に染めている源になります。1つ1つが個性の表れ。人の個性を楽しむように、エメラルドの個性として楽しんで下さい。

6月の誕生【真珠(パール)】

 6月の誕生石といえば真珠。冠婚葬祭はもちろん、最近は普段のおしゃれとして身につけられる方が増えてきてます。他の多くの宝石は、研磨という人の手による作業を経て初めてその美しさが発揮されるのに対して、真珠は貝の中から摂取された時から、すでに優美な姿をしています。この真珠は、その光沢や色、形、キズの具合などによって等級が決められます。価値を決める最も重要な点は、真珠層の厚さと光沢。よく、「巻き」や「テリ」と呼ばれています。巻きが厚く、良質であればあるほど、深みのある光沢がでて、美しい真珠と呼ばれるのです。お手入れについては、有機物である為、ご利用後は柔らかい布で汗などをふき取って下さい。身に付ける人の内面的な美しさを引き出す真珠。しっとりと使いこなしてみるのも楽しい装いのひとつではないでしょうか。

7月の誕生石【ルビー】

近年、特に大粒の産出が極めて少なく、ルビーは希少性の高い宝石です。耐久性においても、世界で一番硬いと言われるダイヤに次ぐ硬度を持ち合わせます。一般に、ルビーとサファイアは宝石としての特性が全く変わりなく、その中で赤いものだけをルビーと呼びます。わずかに紫色を含んだ強い色調の赤色を持つ、ピジョン・ブラッドをしたものが最高のルビーとされています。4大宝石の中でも唯一の暖色であるルビーは、自然の恵みをふんだんに受けて、完全に成熟したものと信じられていました。身につける事で気分を華やかにし、洗練された大人の女性を演出してくれるでしょう。

8月の誕生石【ペリドット】

 オリーブグリーンを持つもの、明るいライムグリーンを持つものがあり、オイリーな光沢がぺリドットの特徴です。イブニング・エメラルドの異名を持つように、夜、照明のもとで緑色の度合いを増すという特徴があり、驚くほど高い輝きを発します。産地としては、紅海のセントジョーンズ島が有名です。お使いの際には、強い衝撃と酸には注意が必要です。宝石言葉は夫婦の和合・友愛。示す通り、緑の色のある空間は、ゆとりのある生活を与えてくれることでしょう。

9月の誕生石【サファイア】

サファイアはルビーと同じ鉱物(コランダム)です。本来、コランダムは無色の鉱物ですが、ある種の元素が微量に取り込まれることで、様々な美しい色が現れます。その中で、赤色だけをルビーといい、その他はすべてサファイアと呼ばれます。普通、サファイアというと青色をしたものをイメージする方が多いと思います。矢車草の花の色をしたものは最も尊重され、これはカシミール産のものに多く見られます。他のサファイアに、蓮の花の色をしたオレンジとピンクの中間色を持つパパラチアサファイアをはじめ、イエロー、グリーン、ピンク、バイオレットなどバリエーションは豊富です。百聞は一見にしかず。それぞれ好みのサファイアを探してみるのも楽しいですよ。

10月の誕生石【オパール】

オパールは、自体の地色と遊色効果とによって、他の宝石には類を見ない7色の光を持ち合わせます。オパールの魅力はその独特の虹色の効果にあります。オパールは、産地、その色によって、ホワイト、ブラック、ファイア、ウォーターなど区別して呼びます。時の権力者アントニウスがクレオパトラに贈ろうとしたのがホワイトオパール。ナポレオンの皇后ジョセフィーヌが愛したのが「トロイの炎上」と呼ばれたファイアオパールでした。オパールは、石の内部に水分を含む為、乾燥には注意が必要です。1つとして同じ表情をしないオパール。この個性的な宝石にファンも多いです。

11月の誕生石【トパーズ】

 紅葉の季節、そんな秋にふさわしい黄金色の宝石が、11月の誕生石トパーズです。黄色い宝石の代表ともいえるトパーズの中でも、シェリー酒の色に例えられるインペリアルトパーズは、特に最高級品とされています。トパーズの産地は主にブラジルですが、ミャンマーやスリランカでも産出されます。芳醇な大人の雰囲気をかもしだすトパーズ。ご購入の際は、濃度が濃く(あまり褐色が強くないもので)透明感の高いものを選ぶことがポイントです。他にはブルートパーズや、ピンクトパーズなどがあり、いずれも人気のある宝石の1つです。

12月の誕生石【ラピスラズリ】

 ラピスは石、ラズリは青という意味があります。紺色に金粉をまいたような模様の宝石です。歴史は古く、かつて権力者しか持つことが許されなかった宝石で、最近では幸運を呼ぶ石としても有名です。不透明な青色の落ち着いた色合いが好まれて、男性用のタイタックやカフスボタンとしても人気があります。アフガニスタン産のものが最も優れているといわれ、さまざまな美術品にも用いられてきました。アメリカ産は濃い色のものが多く、ソビエト産、チリ産は、一般敵に淡い青色をしています。本来は金色のない方が高品質とされていますが、これら模様もラピスラズリの魅力といえるのではないでしょうか。衝撃や薬品には注意が必要な宝石です。

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